2015年9月6日日曜日

【共同プログラム報告】聖カタリナ女子高等学校-経済・くらし編①『18歳シミュレーションをしてみよう』

こんにちは!NEXT CONEXION代表の越智大貴です。

2学期からスタートした、聖カタリナ女子高等学校との主権者教育共同プログラム『経済・くらし編』の様子をお知らせします。



ちょうど2か月前、聖カタリナ女子高等学校との共同プログラムを2、3学期もやらないかというお話をいただきました。

1学期の共同プログラムについて

これまで、こども向けのシティズンシップ(主権者)教育であるcivic PROJECTは、政治・まちづくり系と法律・人権系を扱っており、高校生には1学期の間に、その両方を実施したこともあって、正直どのような形での提供が理想か迷いがありました。

しかし、この活動をご理解・ご支援・ご協力いただいている皆様からの応援もあり、新しい可能性をつかむ機会として、チャレンジすることにいたしました。



2学期は、『経済・くらし編』と題し、自分たちのくらしや経済というフィルターを通してよのなかを見ることで、一市民(=主権)として地域を創るということを学びます。

NEXT CONEXIONとしては、本格的に経済系のプログラムを作成するのは初めての試みになります。

大きな流れとしては、地域を1つの『会社』と見立てて、地域を活性化させるためのプランを生徒たちと考えていこうと考えています。

そのため、まずは『会社』を知り、働くということ、お金が動くということはどういうことかを考えていきます。


そのための第一回目は、起業をする前に、「そもそも、自分たちの生活にはいくらのお金が必要なのか?」を考えてみようと思います。

支出と収入を振り返ることで、経済活動の担い手である『家計』を学び、少しずつ経済の輪をよのなかに広げていきたいと思います。





自分には今までいくらかかっているの?

まずはこれまでの人生を振り返って、自分自身にはどれくらいお金がかかっているかを予想してみました。


『子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会』によると、一人の子どもの出産から大学卒業までの総費用は基本的養育費が約1,640万円、その他学費が公立・私立によって変わりますが、合計するとおよそ3,000万円から6,000万円の費用がかかっています。

自分たちの保護者が、自分たちにどれだけお金を使ってきてくれたかを知るきっかけになると同時に、自分たちが社会に出て家族を作る時に、どれだけのお金が必要になってくるかを知ることができました。





シミュレーションをしてみよう。

高校を卒業後、実家を離れて一人暮らしをすると仮定した場合のシミュレーションをしてみます。どのような支出があるか、そしていくらの収入があるかを、



①支出を考える。

一人暮らしには何が必要か、そしてそれにはいくらかかるのかを考えてみます。


【生徒の反応】
・家賃
・水道
・光熱費
・食費
・娯楽費
・ケータイ
・電気
・ガス
・家具
・遊び
・交通費
・洋服
… 



項目がそろったところで、グルーピングをしてみます。

『家計調査報告』による支出の内訳項目を参考に、グルーピングをした後、それぞれに係る合計金額を出していきます。



愛媛県は家賃の相場が全国でも低い事に驚いている様子であり、また、東京の半額以下といっても言い過ぎではないということに、生徒たちも驚いていました。


また、授業の補助スタッフの大学生の印象では、愛媛県の一人暮らしの一般大学生の月の生活水準が10万円程度である事に対して、戸惑っている様子であったそうです。

おそらく、就職試験等のために既に十分調べたであろう志望する会社の初任給と同様の額だからであるからだとみているそうです。



②収入を知る。

高校を卒業してすぐ働く場合、1年間でどれくらい稼げるのか?まずは生徒に予想させてみます。


【生徒の反応】

・12~15万 約10人
・15~17万 約1人
・17~20万 約1人 


厚生労働省の『平成24年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1学歴別にみた初任給』の資料によると、高校卒の初任給は、女性の場合153万6,000円、男性の場合160万1,000円となっています。


生徒から「どうして男性と女性で初任給に差があるのか」という質問がありました。

先ほどの、愛媛県と他都道府県の家賃や収入の違いも含め、生徒たちにも様々な疑問が出ていました。



ワークショップは、頭をフルで回転させるために、普段はあまり気づかないようなよのなかへの疑問や自分の考えが次々と浮かんでくることがあります。

また、学校の教科書とつなげることで、どうして学校でこういったことを学ぶかが見えてきます。

生徒の気づきから授業を膨らますことで、生徒の中での消化がスムーズになることが期待できます。





働くということについて自分の考えを書く。

最後に、働くということはどういうことか、自分の考えを素直に書かせてみました。以下は生徒の声の一部を載せています。


①仕事をするうえで、最も大切にしたいこと

・人間関係
・やりがい
・コミュニケーション
・(職場の)環境
・お金
・仕事の内容と給料が比例しているか
・意欲、関心
・笑顔
・自分のために頑張る
・向上心
・時間の使い方
・全力の意欲を示す
・常識



②バイトをしてよかったこと・よくなかったこと、働くことに対する期待や不安
○よかったこと
・人とのつながりができた
・人付き合いが上手になった
・やせた
・皿をまとめれるようになった
・お金の大切さがわかった
・積極性、行動力が身についた
・クレーム処理がうまくなった
・接客スキルが身についた
・人前に出てしゃべれるようになった。
・お金を稼ぐことがこんなに大変だと分かった。
○悪かったこと
・勉強をおろそかにしてしまった
・睡眠時間が減った
・効率性が求められ、それが出来ないと怒られ辛い事


○期待や不安
・働く事に対する期待はお金が人間関係を広げてくれる
・時間が拘束されて会社の為の人生になってしまう
・従業員の人との関係
・夜遅くまでの時間働きそう
・まかないがもらえるか
・先輩が優しいか
・自立できるか
・続けられるか
・なじめるか
・上司が嫌がらせをしてくるかも
・覚えることがたくさんありそう



高校生の場合、アルバイトという形で実際の社会で活躍している人もいれば、部活動などを一生懸命頑張り、たくさんの仲間を作っている人もいれば、というように、放課後の時間を各自で自由に決めることができます。




また、補助スタッフの大学生は1日を自由に決めれる立場にあるため、授業に参加した一人ひとりがそれぞれ自分のライフスタイルに対する考え方を持っているような印象を受けました。



「生きていくために何をすべきか」という点で、僕自身改めて考えさせられる点が多かったように感じます。





さて、次回は、モノの値段の決まり方を見ていきます。需要と供給、付加価値といったところがテーマになってきます。


シティズンシップ(主権者)教育に必要なのは、学校の持つノウハウ+地域のみなさんの持つノウハウです!

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